日常の出来事を語ると思いきや百合な話が満載な日記です。
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【Costume party】

2009-10-31 Sat 22:52




お待たせしました♪
ハロウィン…ぽくなったかはちょっとアレですが、今回は仮装パーティというかんじにしてみました。

つぼちーメインでちょっぴりややぴか。


楽しんでいただければ幸いです(*´∀`*)
ハッピー★ハロウィン!!






ル・リム生徒会長、源千華留の考えたハロウィン仮装パーティは想像以上に大盛況で。


3校の生徒それぞれが自らの衣装を考え、自分で作るものもいれば被服部の生徒に頼む子もいたりなど、ハロウィン当日までに衣装を準備して、前日や前々日もいちご舎には妙な盛り上がりがあった。


もちろん、奥若蕾も楽しみにしている生徒の一人ではあったが、彼女の表情はとても楽しそうには見えない。


いちご舎の食堂に集まっている生徒の数を見て、げんなりとため息をつく。
さすがにこの中から自分の想い人を探すと思うと、少しだけ気が滅入ってきたのだ。



いつもならばすぐに見つけ出す自信があるが、今回は生徒皆が仮装をしているものだから、誰が誰であるとなかなか判断がつけにくい。



おまけに千代が何の仮装をしているかというのもわからない。



「こうなるなら事前に聞いておけば良かったかも」



人がいるせいで暑くなり、苛立ってきた蕾は黒いマントを払って頭を抱える。
…今更ながら何でこんな格好をしているのだろう。



ハロウィンの一週間前、特に自分の衣装が思いつかなかった蕾は、思いきって千華留に相談してみた。
すると千華留が待っていましたと言わんばかりに衣装を持ってきて、それを蕾に押し付けるように渡してきて。


どうしてすでに衣装が出来上がっているのだろうと思ったが、とりあえずそれを考えていると色々きりがないので止めておいた。
そうして、何の仮装だろうと確認するために袋の中身を空けてみると、そこに入っていたのはテールコート。そして黒い小さなシルクハット。
もしかして吸血鬼か何かだろうか。
ちょっと可愛いかもと思ってしまった自分が悔しい。


「……はぁ」



過ぎたことを後悔しても仕方がない。


とりあえず、今はこの中から千代を探すことに専念しなければ。


「千代ちゃん……何に仮装してるんだろ…」


もくもくと湧き上がる妄想。
色々な妄想をして、にやけそうになったので思わず頭のシルクハットを被り直す蕾。


「あれ?蕾ちゃん?」


白い天使の姿をした人とすれ違ったかと思えばそれは光莉であった。
目を見開いて、蕾はその姿を凝視する。
キラキラ輝いて、本物の天使は見たことないけれど美しい光莉の姿は天使なのではないかと思わせるくらいに、綺麗だった。


「ひ、光莉先輩、お似合いですね。その、……仮装」


「ありがとう。蕾ちゃんは……ドラキュラ?」


「はい、まぁ…そうです」


「そのシルクハットも可愛いね~。自分で作ったの?」


「いえ、これは…」


光莉に可愛い、と言われるとさすがの蕾も頬が緩む。
そう油断していたら、光莉の後ろから抱きついてくる人物が一人。
光莉とは対照的な悪魔的な格好をしている夜々だった。


「なぁーに、私の光莉に見惚れてるのよ。光莉を舐め回すように凝視していいのは私だけよ?」


「それも…どうかと思います。夜々先輩もその仮装、似合っていますね」


根が悪魔だけに。
というのを付け足そうとしたが、報復が怖そうだから止めておく。
夜々は蕾の格好をじろじろと見てから、口端をあげながら笑う。


「あんたは吸血鬼?それで可愛い乙女達の首筋を狙おうって策ね」


「そんなわけないじゃないですか!まぁ、もしも私が本当の吸血鬼だったら――」


千代だけの血を吸って生きていきたい。
それだけ思うと自然と頬が赤くなる。


「はいはい、ムッツリさんの思考はわかりかねるわね。さ、行きましょうか光莉」


夜々は光莉にそっと寄り添うと、光莉は嬉しそうにしながら夜々の腕に自分の腕をまわしていた。
あぁ、やっぱりお似合いの二人なんだな、と後姿を見て蕾は思う。


しかし羨ましがっている場合ではない。
蕾だって、愛しの恋人がどこかで待っているはずだ。


「よし、千代ちゃんを探してみせるわよ!」


気合が入ってきた。
しかし、蕾の長いマントが小さく引っ張られた。


「ん?」


振り向いて目に入ったのは大きな黒いとんがり帽子。
顔を覗き込んでみると、千代であった。


「千代ちゃん!」


「良かった……ずっと、さがしてたのです」


心底安心したように微笑まれて、そこまで蕾のことを探していたのかと思うと胸がきゅんとして抱きしめたくなる。
しかし、多くの生徒がいる中でそれは出来ない。
抱きしめようと伸ばした両手を元に戻しながら、蕾は千代の姿をまじまじと見る。

蕾ほどの長さはないが、黒いマントと黒いミニスカートに黒い帽子。
おまけにほうきを持っているので何の仮装をしているのかすぐにわかった。

「千代ちゃんは、魔女?……その、か、かわ………」

「川?」

「だから、か、可愛いって言ってるのよ!!」

「ぁ、ありがとうございます」


顔を真っ赤に染めて俯く千代が愛しい。
近くにあるテーブルから飲み物を適当に取って、それを千代に手渡した。


「オレンジでいい?」


「はい。…蕾ちゃんは、吸血鬼ですか?」

「まぁ、一応ね」


「とても可愛くて素敵です!」

「う、うん…ありがと」


なんともいえない空気。
二人で見つめ合って、何も言えずにいた。
聞こえてくるのは生徒の談笑の声。


やっぱり、二人きりになりたい。
そんな気持ちをこめて、千代の手をそっと握った。


「蕾ちゃん…」


「ねぇ、千代ちゃん」


そっと唇を耳元に近づけると、千代の身体が小さく震えた。


「……二人っきりになりたい」


口にして、自分が照れる蕾。
慌てながら更に言葉を続ける。


「その、ほら、私は吸血鬼だし、ち、千代ちゃんをさらっちゃおうかなぁ……なんて」


吸血鬼だからさらう、というのもよくわからない話である。
千代の顔を見たいけれども見れない。
千代みたいな大きな帽子だったら、顔を隠すことだって出来るのに。


「千代も、つ、蕾ちゃんと………ふたりで…」


二人でいたい。
だけど、まだ部屋には戻りたくないという気持ちもある。
手を繋いだまま、なんとなく会場を後にして近くにあるバルコニーに移動した。


「寒くない?」


蕾は後ろから長いマントで千代を包み込むように抱きしめる。
その拍子に、千代の被っていた帽子がゆっくりと床に落ちた。


「あったかいです……つぼみちゃん」


背を向けていた千代はゆっくりと蕾の方に向き直る。
額同士をくっつけて、微笑みあう。
視線を下げると、千代の首筋に目がいく。


(今日の私は、吸血鬼、よね)


ただの仮装だけれども、何となくそんな気分になってくる。
千代の首筋に唇を近づけて、ぺろりと舌で舐める。


「ふぁ…っつ、つぼみちゃん?」


「だって、私は………吸血鬼だもん」


戸惑う千代を他所に蕾は千代の首筋にかぷっと甘噛みした。


「ん…っ」


その後に強く吸い付いてから唇を離すと、首筋に赤い痕が残る。


(ここは部屋じゃなくて…人目につきやすいところなのはわかってるけど…っ!)


ふるふると身体を震わせて我慢している蕾だが、千代の一言で台無しになる。


「蕾ちゃんなら、吸血鬼でも恐くないかもしれないです…」


「な、なによそれ」


「蕾ちゃんには血を吸われても…………な、なんでもないです」


「ぁ、こら!」


千代は床に落ちたままの帽子を回収して再び自分の頭に被りなおしてから、恥ずかしそうに小走りで逃げていく。
そんな千代の行動を目で追ってから、我に返って蕾は後を追う。


「待ちなさいよ!」



短い追いかけっこ。
部屋に着いたら、どうしようか。


蕾は走りながら、甘い甘い考えを浮かばせていたのだった。




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