日常の出来事を語ると思いきや百合な話が満載な日記です。
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【私の恋人が一番っ!④】

2009-09-22 Tue 01:47




これで完結です。
意外に真面目?な終わりになりました。









「一日中ずっと一緒にいられるのも……もちろん幸せだと思います。正直、羨ましいなとも思います」





夜々は蕾の表情をぼんやりと見つめながら、発する言葉を聞いていた。





「でも、私はそうじゃなくたって、すごく幸せです。朝起きて食堂に行ったときに千代ちゃんを見かけて目が合ったときとか、学校行くときに偶然出会って一緒に途中まで登校するとか、……その後離れ離れで会えないのは寂しいけれど、だけど放課後にまた会えるかもしれないって思ったときの期待感とか、待ち合わせ場所まで向かうときの胸のドキドキとか……会いたくなってたまらなくて夜中にこっそり部屋を抜け出して会いに行ったりとか……千代ちゃんも私と同じように思っていてくれたりしてすっごく嬉しくなっちゃったりとか…。眠るときに明日はどうしよう、どこに行こうかな、何をしようかなとか…千代ちゃんの笑顔を考えながらそう思っていたらすごく幸せなんです」






「……」





「だから、私は今のこの日常が幸せだなぁ…と」




あぁ、やばい。
今の自分の表情はものっすごい頬が緩んでいるのだろうな、と蕾は思っていた。

夜々にからかわれるかも、と思ったが特に気にしていないようで。
それよりも、何故か眉をひそめている。




「えぇーと、夜々先輩?……っいた?!」



訝しげに思って首を傾げると、急に額に小さな痛みを感じる。

凸ピンをされたのだとわかり、額を押さえて夜々を睨むと、すでに彼女は立ち上がって部屋を出て行こうとしていて。



「お子ちゃまの惚気話なんて聞いてられないわよ」


「な、なんですってー!!」





せっかく真面目に語ったのにあっさりと言われ、さすがの蕾もイラついたのかテーブルを叩いて立ち上がる。




「それも悪くはないかなとは思ったけどね」





「……はい?」





小声で何かを言われたけれども聞き取れなかった。

再び聞き返そうとしたと思ったときには、もう夜々は部屋にいなかった。
ゆっくりとドアが閉まる音を聞きながら、蕾は小さく息を吐く。





「……はぁ」





今日はもう無理だろうか。
時計を見るともう少しで夕食の時間になろうとしていた。

一目でも会えたら良かったのに、とドアに背中を預けてもたれかかると、そこからノックする音が聞こえて。





「!」





反射的に驚いてドアから離れる蕾。
そしてその音を聞いて、段々と胸が熱くなるのがわかる。



(もしかして…)




「蕾ちゃん…」





声を聞きすぐにドアを開けた。

互いに目が合うと、千代ははにかみながらも笑いかけてくれて。



「……っ」




愛しい、本当に愛しい。

ドアを閉めるのも忘れて、蕾は千代の手を取って、強く抱きしめた。

千代はいきなり抱きしめられるとは思いもしなかったので、かなり困惑した様子だったが、蕾の背中にゆっくりと千代の手の感触が伝わる。




「あいたかった……」




蕾が耳元で囁くと、千代は蕾の胸に顔を埋める。
その後に千代が蕾と同じく会いたかった、と囁かれたとき、胸がほんのりとあたたかくなるのを感じていた。







*****





「……」





夜々は部屋を出たときと同様に眉をひそめたまま、廊下を歩き続ける。

蕾の言っていた言葉を考えながら。





「あー、もう」





大抵の口論には負けたことはないのに。
というよりも向こうも勝ったなんて思ってはいないだろうけれども。




確かに、夜々も今のこの日常に満足している。

朝、目が覚めれば光莉が目の前にいるし、食事をするときも学校にいくときも授業をうけるときも、ずっとずっと光莉が隣にいる。

これほど幸せなことなんてない。





…だけど。





「ほんと、悔しいわね」






――不覚ながら羨ましいと感じてしまったことに。





「わくわくに、ドキドキねぇ…」






口にしながら小さく笑う夜々は、ドアを開けて自分の部屋へと入っていく。




愛しい少女の帰りを心待ちにしながら。







END




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