日常の出来事を語ると思いきや百合な話が満載な日記です。
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【ひな祭り】

2009-03-04 Wed 20:28


ひな祭りssです!!

何というか蕾のくじ運の悪さに私まで涙目(笑)







「…………」


正直、もう嫌になってきた。
毎度毎度のくじ引きにも。
優雅で可憐な単衣ではなく、男物の着物を纏っている自分自身にも。


(あぁ、もう!よりによって何でまた右大臣の格好なのよ!!)

ぺちん、と床に作り物の弓を投げ捨てる蕾。
背中には多くの弓矢を背負わされて、腰には刀までつけて。
何でこんな武装をしなくてはならないのだ。

(……くじ引いた私が悪いんだけどね)


本当に自分のくじ運の悪さが悔やまれてならない。
だって、蕾の思い人は見事に大当たりの女雛を引き当てたのだから。
間近で見てはいないけれど、遠めで見ていてもすごく可愛い。
贔屓目でなくとも本当に愛らしい。


「やっぱり千代ちゃんは和服が一番似合うわね」


一人で呟きながら頬を染める。
本当ならば近づいていきたいが、申し訳なくて行きづらい。
せっかく千代が女雛なのに、蕾は右大臣になってしまって。
男雛役に当たった千華留が恨めしい。


「あれ?あんたまたそんな格好なわけ?」

気にしていることを言われて振り向けば三人官女の姿をした夜々と光莉がいた。


「ぁ、お二人とも…一緒の姿なんですね」

羨ましいことこの上ない。
蕾がじぃっと見ているのも気にしていないのか、二人はいちゃいちゃといちゃつきはじめる。


「夜々ちゃんのお内裏様も素敵だったけれど……こうしてお揃いになれたのも嬉しいな…」

「あら、光莉ったら嬉しいこと言ってくれるじゃない。うん、やっぱりお揃いは嬉しいわね」


もうダメだ。
きっとどんな突込みを入れても相手にしてもらえない。
蕾は呆れながらその場を離れた。
周りを見てみると他の人も楽しそうに騒いでいる。
お内裏様の格好をした千華留と三人官女の籠女が一緒に手を取り合って仲睦まじくしているのを見ると羨ましくなって。

(なんかもうどうでもよくなってきちゃった)


「蕾ちゃん」


(はあぁ…今年こそは…って思っていたんだけどなぁ)


「蕾ちゃん」


(何か微妙にすれ違うのよね……前回は私がお内裏様だったのに)


「蕾ちゃん」


「もう、何ようるさいわね……………って千代ちゃん?!」


まさか横にいるとは思わなくて蕾は驚いて後ずさる。
間近で千代の姿を目にすると、自然と頬が赤らんできた。


「ぁ、ぅ、……その、……か、可愛い。可愛いわよ、千代ちゃん」

「ありがとうございます、…蕾ちゃんにそう言って貰えるのが、一番嬉しいです」


えへへ、と笑う千代を見ていると、ついそのままお持ち帰りしてしまいたくなる。
千代はじぃっと蕾の姿を見つめていて。
その視線に耐え切れなくて蕾はつい呟く。


「私はその、…また、こんな格好だし……」

「蕾ちゃん、とても格好良くて素敵です!」


それでも蕾は口をへの字にしたまま面白くなさそうに文句を言い出す。


「千代ちゃんが折角お雛様なのに」


本当に子供っぽいなと自分でも思ってしまう。
こんなことですぐ拗ねてしまうなんて。


「千代にとっては蕾ちゃんが一番誰よりも素敵ですよ」

「………ほんとに?」

「はいっ」

「…渚砂先輩だって、私と似たような格好してるけど?」

「蕾ちゃんが一番です!」

「……お内裏様の千華留先輩よりカッコいい?」

「はいっ」


千代にそう言われると、蕾も段々と胸が熱くなって嬉しくなってきた。
我ながら何て単純だろう。
千代の手を取って、その場にゆっくりと座り込む。
視線が交わり、小さく微笑みあう。
二人は寄り添いながら、聞こえてくる楽器の音色に酔いしれていた。



END

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