日常の出来事を語ると思いきや百合な話が満載な日記です。
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【会えない時間】③

2008-03-23 Sun 05:43



きっとこれで終わりです。




「もしもし……千代ちゃん?」


「ぁ、は、はい、」



耳元から千代の声が聞こえてきた。


その瞬間に蕾の胸は高鳴る。


ドキドキ。


心臓の音が伝わりはしないだろうか。


互いに遠く離れた場所にいて、尚且つ携帯で会話しているのだからそんな事を心配する必要はないのに要らぬことを考えてしまう。


話したいことがいっぱいあったはずなのに。


何を話せばいいか全くわからなくなってしまって。



「えぇと」


頭の中で必死に会話を探す。


(あぁもう、何も浮かんでこないじゃない)


「つぼみちゃん…」



何も浮かんでこないけれど。


千代の声が聞けるだけで、幸せになれる。


蕾は携帯を耳に当てたまま、自分のベッドに横になった。


「その、な、何か喋りなさいよ」



「え?えぇ?」


「い、いいから!……ほら、私が電話をかけるまで何をしていたか1000文字以上で答えて」


「せ、1000?……そんな、難しいですぅ」


携帯越しでも、千代がどんな表情をしているのかが想像ついて、蕾は小さく笑った。


千代は戸惑いながらも朝起きて、ご飯を食べて、と一日の流れを話し始めた。


それを蕾は相槌を打ちながら聞いている。



(さすがに、1000文字はイジワルだったかな)


だけど、それほど千代の声が聞きたくてたまらなくて。


「ぇぇと、後は、ぁ!夢で蕾ちゃんが出てきました。えへへ。いつもの学校生活と同じような感じで、図書館にいた千代のところに蕾ちゃんが来てくれるのです。そして仕事が終わってからいつものように部屋に行って、二人でのんびりと紅茶を飲みながらお話しをして――…」


何だかんだで結構話す千代。


もうとっくに1000文字なんて超えているだろう。



「ふ、ふぅん……」



(私の事ばっかりじゃない。……私も人のこといえないけど)


「で、……さ、寂しい?」


「?」


「私に会えなくて寂しいかって聞いてるの!」


「はい、とても寂しいです」



千代の寂しさが伝わってきて、蕾の胸は苦しくなった。


この腕で優しく抱きしめてあげたいけれど、今は出来ない。


千代に触れたいのに、出来ない。


「……千代ちゃん、」


「はい?」


「……早く、千代ちゃんに逢いたい」


面と向かってならばこんな言葉なかなか出てこないだろう。


顔を合わせていないというのに、蕾の顔は熱くなっている。


だけど、本当の気持ちを伝えたいから。


「ち、千代も、蕾ちゃんにあいたいです」



(あぁもう、早く春休み終わってよ)


そうは願っても、時間はなかなか過ぎてはくれない。


春休みの間、二人は毎日毎日電話をした。



二人で会える日を、心待ちにしながら。



END











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